ハーフと自己紹介
・二か国語を話せる
・精悍な顔つきをしている
・類い稀な運動神経
・異文化で育った事による独特の感性を持っている
こういったものを全て持っていないいわゆる残念なハーフだと言われる
悲しくも自分もその類いなのだが、こうなるとハーフであることのメリットは全くと言ってない。
小学校時代に強く思っていたのは「お年玉」について
父方の祖国にはお年玉の文化がなかったし、そもそもお正月に帰省もできなかったためお年玉をもらえない。
その結果、友だちと比べ新年の獲得総額が圧倒的に少ないのだ
(我が家は新年におせちとカレーを食べるという謎文化があった)
大人になると、職質を受ける頻度も高くなる
(これは、顔つきが原因だと信じたいが)
海外の旅行客に道を聞かれる頻度も、京都旅行の時に英語で接客される頻度も
英語の時間の謎の期待値の高さも
とにかく、結構デメリットの方が多くないか!?としばしば思う
そんな中、一点だけ圧倒的に特だなど思うのが「自己紹介」だ
人生で何千何百と突発的にさせられる「自己紹介」
笑いを取りに行くには危険、かと言って穏便にすませて微妙な雰囲気になるのも怖い
何回やってもいい感じが難しいことイベントにおいてハーフは圧倒的に強い
何よりも顔を見せた時点で大抵の人が「どっかのハーフだろうなぁ」と思っているので
その疑問に答えさえすればいい。もうこれで一つ話題が作れる。
ついでに、母と父どちらが外国人か伝えれば話しを引き伸ばせる。
最後に「でも日本語しか話せません」と言えば100%手堅い笑いが取れる。
最強としか言いようがない!
小中高。人生の新学期はこれだけで乗り切った。
もうちょっと話を続けないといけないような時も母と父の出会いの話や国の基本データを伝えれば確実に5分は稼げる。
(ハーフには、なぜか初めてあった人でも両親の出会いをずけずけと聞くの、客観的に考えてすごいなと常々思うが、みんな聞いてくるので話してしまうところはある、、)
帰省の頻度や帰省した時の簡単な思い出話でもすれば10-15分は潰せる。
自己紹介から始まり話題提供という点ではハーフであることはめちゃめちゃ強い。
そして、話のオチを作るときもしばしば海外ネタに逃げてしまう。
・通貨を円ではなくタカにする
・日本語をわからないふりをする
・一夫多妻制であることを強調する
・豚肉やお酒が禁止されているのに食べていることを強調する
など人生で擦りに擦った引き出しがどのハーフにもあると思う
ということでハーフは自己紹介と新入生歓迎会の序盤だけヒーローになりがち
その後は本人の真価が問われるけど。
(話のオチが見つからない)
ゲームが難しい
小さな頃、我が家にはゲームがなかった。
いわゆる教育熱心な親に「ゲーム禁止」を言い渡されていたというよりも
シンプルに「ゲーム文化」に極端に疎い両親に育てられた為、ゲーム機そ買うという発送がなかったのだと思う。
父親の祖国では(少なくとも当時は)、日本と比べゲームが盛んではなく
父親はゲーム触れたこともない人だったし
母親は、祖父が昔ながらの頑固親父だった影響か、アニメ・漫画・ゲーム全般を触れたことがなかったようだった。
(ちなみに、父親は今だにゲームをほぼやらない人で、唯一やるゲームはPCにデフォルトで入っているソリティアとマインスイーパのみだ)
そういった環境で育ったため、ゲーム経験がおそらく人と比べて少ない
といっても禁止されていたわけではないので、友達の家ではスマブラなど好きにやっていたし、小学5年生のころ「脳トレブーム」のおかげでニンテンドーDSをかってもらったため友達からソフトを借りて色々やってみた。
ただ、小学5年生の時点でゲームを家で持っている勢との差が大きくて
スマブラをやればボコボコに負けるしマリオもクリアスピードは雲泥のさ
その差を縮めるために日夜努力をするほどのめり込むこともできず、結構早く飽きてしまった記憶がある。
そもそもゲームは「マルチタスク」の質を地道な「努力」であげてクリアしていくタイプのものが多い(と少ない経験で思う)
「敵の攻撃を避けながら、移動して強化アイテムを取ろる、とともに攻撃姿勢に入り
かつ、吹っ飛んでも安全な位置に着地する」みたいな同時に色々なことを考えながら10本の指を瞬時に動かさなければならない。
(例えが、スマブラ一辺倒なのはどうかご容赦いただきたい)
これが本当に難しい。
大人になって車の免許を取る際に、スピード調整を意識すると白線を超えてしまうし
白線の位置を気にするとスピードが出すぎてしまう。2つのことでさえギリギリになっていた自分からするとゲームは考えることが多すぎて許容オーバーになりがちだ。
そこが面白いポイントなのだとも思うのだが、
その面白いに行くまでの努力ができなかった自分はゲームに一方的に苦手意識があった。
バイトをするようになって、(広い意味でゲーム関係の仕事をしていることもあって)ゲーム機を買うことにした。
話のタネにもなるし、今やったら意外に楽しいと思えるかもしれない。
MCU映画も好きだしな、、と思いPS4のスパイダーマンを買ったのだが
これがまさにマルチタスクゲームだった。
スパーダーマンができるアクションの種類が多すぎてどれをやればいいのか判断がつかない上に、どうボタンを動かせばどの動きが実行されるのか覚えきれない。
おそらくチュートリアルがわりにある冒頭の敵を倒すフェーズを一発クリアできず(もっとも簡単なモードでやったのに)すぐに姉の旦那さんに破格の値段で売ってしまった。
その後、再びチャンスが巡ってきた。
バイト先の親友が「ゼルダの冒険」ならパズル要素が強いからハマると思うと勧めてくれた。早速ニンテンドースウィッチを買ってやってみた。
なるほど、これは面白い。。。
色々なほこらを巡って、敵と戦いながらもアイデアを練ってパズル的な要素でクリアすることができる。また敵の動きも観察するとパターンが見えてきた。
おそらく通常よりも何倍も時間をかけてだがじわじわと進めることができた。
ストーリー要素が明確にあるのも読書や映画が好きな自分には刺さった。
これで自分もゲーム好きに仲間入りできる!
そう思ったのだが、なぜか最後の最後ボスの部分は全くパズル要素がなく
シンプルに戦いなのだ。
ここにきてマルチタスク。
うう
・
・
・
・
1年ほどたつが最後のボスが倒せず放置してしまっている。
ハイラルの民たち、申し訳ない。勇者はもうがんばれなさそうだ。
ガノンが強すぎた。この国は救うことができなさそうだ。
右も左もわからない
世の多くの人は、右と左を瞬間的に区別できるらしい。
左右を身体が覚えて判断できるということらしいが、生まれてから一回もその感覚を手に入れたことがない。
おそらく「あ」という記号を見て、口を大きく円形に広げて舌を軽く口内に乗せて喉を震わせずに発声した時に出る音のことだと頭を働かせずに自然と理解できるのと同じように
「右」と聞けばこちら側のことだなぁと感じられるのだろうと推測はできる
ただ、僕自身「右」といわれた時にどちら側がその「右」なのかは常に 2分の1。等しい確率の中にある。
こっちの方が右っぽいなとかも全くなく、全くわからないのだ。
もちろん、一時的にこちらが「右」であると意識的に記憶すれば1-2時間程度暗記しておくことはできるが、数時間後、もちろん翌日には左右の確率はいつもと同じく2分の1に戻ってしまうのだ。
しかし、幸運なことに僕には、コンマ1秒ほどでこの左右わからない問題を解決できる方法がある。
左右の視力差が大きくあるので、片目をそれぞれつぶってよく見える方が「右」、よく見えない方が「左」と判断できる。
(そもそも両目が悪いので両片目をつぶらないと確定はできないのだが)
この方法で、日常生活ではギリギリ左右わからない問題を密かに切り抜けているのだが
唯一どうにもならないときがあった
教習所では、右折左折の指示を教官が急に出してくるのだ。
運転がそもそも苦手で余裕がない上に、左右の片目をつぶるというリスキーな行為ができないため当て間で曲がるということをやると、結構な勢いで(このパワハラとかに厳しい時代では考えられない程度に)怒鳴られたので左右わからない問題をどうにか解決必要がでてきた。
そこで教習所の訓練が始まる直前数分間は、まず片目それぞれつぶりどちらが右かを覚えた後、念のために何度か自主的に左右判定テストを行い
(数分おきに、右はこっちだなぁと予想したあとに目を閉じて確認をする)
訓練中の數十分は左右をわすれないように暗記をするのだ。
普段は、ここまでしなくても暗記出るのだが、運転というマルチタスクの中ではすっかり忘れてしまうので毎回念入りに備えてどうにか教習所を卒業した
(免許取得まで丸々1年かかり、免許取得の試験に7回落ちたのはまた別のお話)
現在、全く運転せず、完全なペーパードライバーとして日々を送っているのでどうか安心してほしい
教習所以外で左右わからない問題が決定的に問題になることはないのだが
地味に日々ヒヤヒヤする。
もし、同じような仲間がいて左右に視力差がないなら一体全体どんな風にしてこの苦難を切り抜けているのか。想像がつかないがそれぞれ創意工夫をこらして世の中に忍んでいるのだろう。
どうか気を強くもってがんばってほしい。みんなにエールを送る。